2023 年 4 巻 3 号 p. 205-214
限界状態を超過する確率の効率的な計算法としてEchard et al.(2011)によって代理モデルとMonte Carlo Simulation (MCS)を組み合わせたAK-MCSが提案されている.この手法の適用や改良に関する非常に多くの論文が発表されている.MCSにおいて小さな確率を算定する場合には非常に多くの粒子(サンプル)が必要になるため重要度サンプリングの導入を試みた.設計点を用いる重要度サンプリングは手順が煩雑になるため,設計点を用いない単純な方法を導入したところ,より少ない粒子数で確率計算が可能となったが,代理モデルが不安定になった.そこで,複数の確率場を用いたガウス過程回帰を導入したところ代理モデルを安定化することができた.2次元の簡易モデル,及び8次元の圧密沈下問題を対象に検討を行った.