2023 年 4 巻 3 号 p. 189-204
地震や台風の発災直後に撮影された高解像度光学衛星画像を用いて,インスタンスセグメンテーション手法であるMask R-CNNにより画像内の建物を自動抽出し,建物被害を無被害,損傷,倒壊,およびブルーシート被覆有無に自動分類するモデルを開発した.結果,建物抽出精度(IoU)については約35%,ピクセル毎の建物被害分類精度(F値)については約52%となり,建物抽出と被害分類を同時に実施可能なモデルとして一定の性能をもつことを確認した.また,3種の高解像度衛星画像を使用してモデルを構築したところ,IoUで約39%,F値については無被害が約92%,損傷が約69%,倒壊が約56%,被覆有が約85%であり,モデルの汎用性が一定程度あり,被害の早期把握に利用可能であることを確認した.