2023 年 4 巻 3 号 p. 26-35
データ駆動型科学は数値シミュレーションの代替モデルとしても期待され,海岸工学分野でも波浪予測や津波シミュレーションに利用されているが,データ不均衡性や解釈性の課題がある.近年では,これらの課題を解決する方法として,物理法則を加味したPhysics-informed Neural Networks (PINNs)の活用が進んでいる.本研究では,PINNsを使用して水平床での2次元ダムブレイク問題を実施し,津波シミュレータT-STOCの数値解析値と比較し,PINNsの適用性を検証した.検証の結果,PINNsの再現性が明らかになり,学習した範囲内のパラメタであれば,任意のパラメタで数値解析値に近い推算結果を得られることがわかった.