2023 年 4 巻 3 号 p. 301-309
近年の土木業界での生産人口の減少や膨大な既設土木構造物の急速な老朽化の課題を受け,国土交通省から生産性向上を目的に建設DX(Digital Transformation)やi-Constrution,CIM(Construction Information Modeling)が提唱された.従来の紙媒体の2次元図面や台帳での管理はデータの散逸や熟練した技術者でなければ理解が容易でないことから,対象物の形状情報を3次元データで保存できる技術が求められる.昨今,計測技術の発展や大規模データの公開から対象物の3次元形状を効率的に取得できる点群データが注目され始めているが,計測後の点群データを加工する技術の実現については未だ課題が多い.そこで,本論では点群データの計測手法や処理アルゴリズムについてまとめ,それらが近年の土木分野で活用されている事例でどのように適用されているかの動向について整理し,今後の課題と展望について述べる.