2023 年 4 巻 3 号 p. 293-300
コンクリート構造物の非破壊検査手法の一つである打音検査に対して,信号処理による打音特徴の定量化や,機械学習による判別など,自動化に関する研究がなされている.自動化の際には,あらかじめ用意したラベル付きデータをもとに機械学習を行っておき,現地では学習済みのモデルを用いて判別のみを行う必要がある.しかし,一般にデータの採取地が異なると判別精度が低下する.本研究では,打音の時間周波数特性をグラフ化した画像を畳み込みニューラルネットワーク(CNN)で判別する手法に対し,条件付き敵対的生成ネットワーク(CGAN)とSpecAugmentによるデータ拡張を適用し,異なる採取地のテストデータに対する汎化性能の向上を試み,SpecAugmentによるデータ拡張が汎化性能の向上に有効であることを示す.