2023 年 4 巻 3 号 p. 328-336
本研究では,タンクモデルを基本とした状態空間モデルを構築し,秋田県阿仁合小渕地区地すべり地の動態観測データ2018年から2022年5月までの4年と5ヶ月分の動態観測データをあてはめて,地すべり地からの流量と,代表的な5つのボアホールにおける孔内水位変動の推定を行なった.マルコフ連鎖モンテカルロ法によるサンプリングから得られた推定結果はおおむね孔内水位変動,流量変動の挙動を表現するものであった.また,得られたタンクの貯留量から,地すべり地の帯水層に存在する地下水量の変化を推定した.