2023 年 4 巻 3 号 p. 320-327
高速道路のり面の定期点検から得られる変状箇所数データおよび変状の程度を示す判定区分データを用いて,路線ごとののり面健全度を推定する2つの時系列モデルを状態空間モデルによって構築した.のり面の健全度は変状発生率,発生変状箇所数,および変状判定区分出現確率の3つの潜在的な状態量として定義された.これらのモデルに対し,秋田県内の高速道路3路線の点検データをあてはめ,マルコフ連鎖モンテカルロ法を用いて健全度を推定した.推定結果にもとづいて,これらの潜在的な状態量の経時変化について議論している.