2023 年 4 巻 3 号 p. 533-538
歩行者の交通量や移動軌跡などのデータは,都市の再整備やまちの活性化計画を立てる際の基礎データとして活用されているが,その調査や分析には多くの人員やコストが必要という課題がある.そこで本研究では,AI(Artificial Intelligence)の深層学習(Deep Learning)と勾配ブースティングを用いて複数カメラから歩行者移動軌跡を取得する計測システムを開発した.具体的には,深層学習モデルで検知した人物の位置情報から同一人物を判定し,その位置情報を勾配ブースティングモデルにより推定軌道を追跡することで精度向上を図った.開発技術を実験フィールドに適用した結果,カメラを跨いだ移動でも移動軌跡が把握可能となり,歩行者交通量・移動軌跡計測の高度化・省力化に有効な技術となり得る可能性を示した.