2023 年 4 巻 3 号 p. 547-552
ダム管理において農業用水などの利水状況を踏まえ適切な供給を行うことが重要である.河川の低水管理においては,利水基準地点の必要流量を確保するために流量調整を行っており,流入量を正確に予測することが必要である.本研究は効率的かつ効果的な統合管理を行うために,鬼怒川上流4ダムのデータを用いて非融雪と融雪の影響を考慮した深層学習とタンクモデルによる低水流入量予測モデルを構築し精度検証を実施した.精度検証の結果,非融雪期では一部タンクモデルの優位性は見られたが,総じて深層学習モデルのほうが再現性が高い結果となった.融雪期においては非融雪モデルと融雪モデルと比較した結果,融雪モデルのほうが再現性の高い結果となりモデルの有効性を確認した.