2023 年 4 巻 3 号 p. 786-793
本研究は,大規模施工現場で進捗を一元管理し,施工現場内での進捗データの共有により,施工管理業務の効率化を図ることを目的とした.そこでは,地上型レーザスキャナ,UAV搭載型カメラと高所カメラによる3次元点群データに座標を付与し,3次元点群データを一元管理するプロトタイプを作成した.さらに,異なる時期に計測した3次元点群データに時間情報を与え,時間軸を用いて形状の変化を可視化する方法と,重畳した3次元点群データを差分解析し,進捗差分を定量的に可視化する方法を考案し,施工進捗を可視化した.最後に,プロトタイプの発展として,情報システムのユースケースを提案した.利用者には,現場全体管理者と各施工現場の施工者を想定し,現場管理者は,システムを通して進捗状況や各施工現場の3次元データを確認する.