2023 年 4 巻 3 号 p. 794-800
クルーズ旅客を対象としたシャトルバスが金沢港~金沢駅間で石川県の負担のもと運行されている.しかしながら,クルーズ船の寄港回数が増加すると,シャトルバスを自治体の負担のみで運行することには財政的な限界が存在するため,シャトルバスの有料化などの対策が必要である.本研究では,シャトルバスの有料化に向けて,クルーズ船旅客を対象として実施したアンケート結果を基に,生存分析を利用したシャトルバスの支払意思額モデルを構築した.本研究における分析を通して,性別,目的地までの移動円滑性に関する満足度,有料化への立場,金沢への訪問回数,実際のシャトルバスの利用の有無の5つが共変量として推定された.また,シャトルバスを有料化する際の料金設定は100円から500円の間で設定することが妥当であること示唆された.