2023 年 4 巻 L2 号 p. 13-20
サステナブルインフラ研究ラボでは,「強靱な国土・防災への貢献」に向けて,社会インフラの維持管理に関する研究をしている.本稿では,「下水道音響のAI解析による雨天時浸入水発生箇所の検知」「ドローン空撮による構造物変位計測」を紹介する.前者は,雨天時浸入水の検知技術の開発である.マンホール内にICレコーダーを設置し,晴天時と雨天時とで異なる音響をAIで計測して検出する技術である.すでに従来方法とほぼ同じ結果が得られている.後者は,ドローン空撮によって橋梁のたわみを計測する.デジタルカメラを使い,二つの格子模様を重ね合わせた時のモアレ模様の変化を解析することで,高精度に変位を計測できる.従来の計測は高所作業が必要で高コストだったが,ドローンであれば低コストで,人が入れない場所でも検査が可能になる.