AI・データサイエンス論文集
Online ISSN : 2435-9262
4 巻, L2 号
選択された号の論文の7件中1~7を表示しています
  • 岩城 一郎, 阿部 雅人
    2023 年 4 巻 L2 号 p. 1-3
    発行日: 2023年
    公開日: 2023/03/01
    ジャーナル オープンアクセス

    インフラマネジメントのデジタルトランスフォーメーション(DX)では,ICTやAI技術等の先端技術と土木技術の学際的な連携が進んでいる.そこで,インフラマネジメントの高度化・スマート化にあたって期待が寄せられている計測技術や情報の活用/AIを取り上げ,先進的な研究開発を進めている研究機関の取り組みを紹介し,今後のインフラマネジメントにおける学際研究のあり方に関する解説を収集・掲載した.

  • 石田 雅博
    2023 年 4 巻 L2 号 p. 4-12
    発行日: 2023年
    公開日: 2023/03/01
    ジャーナル オープンアクセス

    道路橋やトンネルの定期点検(5年に1回)が義務化された.橋梁における1巡目の結果は,判定区分III(早期措置段階)が9%,IV(緊急措置段階)が0.1%だった.しかし,修繕等の措置はあまり進んでいない.国交省の予算概算要求資料の試算によると,III・IV判定橋梁を全部直すためには約20年かかる見込みだ.そのため,今後はIIIの措置を進めるとともに予防保全を重点的に行う必要がある.土木研究所では,AIを活用した診断技術の開発を行っている.点検データをタブレットに入力し,損傷の進行程度や損傷及び原因などを診断し,措置の方針を示すシステムである.また,「床版の土砂化」「コンクリート橋の塩害」「橋梁の基礎の河床の洗掘」などを早期に発見し,早期に措置するための技術開発にも取り組んでいる.

  • 津田 浩
    2023 年 4 巻 L2 号 p. 13-20
    発行日: 2023年
    公開日: 2023/03/01
    ジャーナル オープンアクセス

    サステナブルインフラ研究ラボでは,「強靱な国土・防災への貢献」に向けて,社会インフラの維持管理に関する研究をしている.本稿では,「下水道音響のAI解析による雨天時浸入水発生箇所の検知」「ドローン空撮による構造物変位計測」を紹介する.前者は,雨天時浸入水の検知技術の開発である.マンホール内にICレコーダーを設置し,晴天時と雨天時とで異なる音響をAIで計測して検出する技術である.すでに従来方法とほぼ同じ結果が得られている.後者は,ドローン空撮によって橋梁のたわみを計測する.デジタルカメラを使い,二つの格子模様を重ね合わせた時のモアレ模様の変化を解析することで,高精度に変位を計測できる.従来の計測は高所作業が必要で高コストだったが,ドローンであれば低コストで,人が入れない場所でも検査が可能になる.

  • 土谷 浩一
    2023 年 4 巻 L2 号 p. 21-30
    発行日: 2023年
    公開日: 2023/03/01
    ジャーナル オープンアクセス

    NIMSは,第1期SIP「インフラ維持管理・更新・マネジメント技術」に参画し,腐食促進試験法,腐食モニタリング,耐食鉄筋,高分子系・セメント系補修材料、コンクリート内部の塩分,pH,酸素濃度,腐食抵抗を同時に長期モニタリングできるコンクリート内部環境センシングシステム,箱状のプロープとノートPCだけで鉄筋の腐食程度を判別できる電磁波非破壊検査システム等、インフラ構造物の維持管理に資する材料技術を開発してきた.また,インフラ構造材料に関する研究拠点として.約40機関の企業とアカデミアが参画した異業種・大学研究機関のネットワークであるインフラ構造材料クラスターを構築した.この活動はSIP終了後もNIMSインフラ構造材料パートナーシップとして開発技術の社会実装を目指し活動を継続している.NIMSは今後もインフラ構造物の予防保全に資する材料技術開発の取り組みを進める.

  • 村田 健史
    2023 年 4 巻 L2 号 p. 31-35
    発行日: 2023年
    公開日: 2023/03/01
    ジャーナル オープンアクセス

    映像IoT技術を中心に,レジリエント自然環境計測技術について紹介する.映像IoTの技術開発では,「目で見る」ことと「リアルタイムに見る」ことが重要である.独自開発の映像伝送プロトコル(HpVT)をIPネットワークカメラで高解像度画像(静止画像・動画像)で利用することで,4G/LTEや今後の5Gモバイル通信において高品質・低遅延の映像伝送を可能とした.また,パン・チルト・ズームの遠隔制御,映像・画像のAI処理,情報空間との連動等により,画像と地理情報とを融合して一歩進んだ解析を進めている.例えば,降雪検出,河川(水位)監視,煙の探知,火山(火口)監視等の事例がある.カメラから得た情報を地図空間にマッピングすることで,どこで何が起こっているかも分かる.これらによりリアルタイムで災害を発見・可視化する,防災IoT空間とGIS空間との融合を目指している.

  • 高須 淳宏
    2023 年 4 巻 L2 号 p. 36-43
    発行日: 2023年
    公開日: 2023/03/01
    ジャーナル オープンアクセス

    近年,深層学習技術の進歩に伴い,多くの分野でデータ駆動型分析が行われるようになっている.本稿では,筆者らがすすめている深層学習技術を用いた橋梁モニタリングの研究を紹介する.深層学習には大量の訓練データが必要だが,特徴抽出がかなり自動化される.筆者らは,深層学習を使い橋梁上を走る車両のモニタリング解析を行ってきた.センサにはひずみ計,加速度計,監視カメラを使い,通過車両検出,走行車線検出,車両速度推定,軸数推定,軸重推定・重量推定を出力する.大規模な訓練データを準備できれば,精度の高い分析が可能であることが分かってきている.深層学習を適用するためには,大規模な訓練データを収集し活用するプラットフォームも重要になる.本稿では,計測データの蓄積と検索機能を備えたデータ管理システム,外部データと連携するための分野間データ連携基盤システムについても紹介する.

  • 臼田 裕一郎
    2023 年 4 巻 L2 号 p. 44-59
    発行日: 2023年
    公開日: 2023/03/01
    ジャーナル オープンアクセス

    災害後に早く立ち直るための,組織間での情報共有と先読み対応を支えるデジタル技術について紹介する.災害時は被災地の対応現場に外部情報が届かず,逆に現場情報が外部支援者に届かない.そのため,SIP4D:基盤的防災情報流通ネットワークを開発.情報の自動変換と論理統合の技術を取り入れ,使いたい側が使いたい形で情報共有できるようにした.また, ISUT:災害時情報集約支援チームをつくり,災害対応現場でSIP4Dを活用した情報共有・提供等の支援をしている.さらに,先読み対応ができるように,情報を自動収集し,サイバー空間で自動的に処理をして,組織等が何をすべきかを提示するループを描こうとしている.各種機関が絡むため,データを渡したら次の処理が動く形でシステムが連動し,要望に応じて容易に解析でき,様々な形式で可視化できるシステムをつくっている.

feedback
Top