AI・データサイエンス論文集
Online ISSN : 2435-9262
道路橋の維持管理の実態と予防保全へ向けた技術開発
石田 雅博
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ジャーナル オープンアクセス

2023 年 4 巻 L2 号 p. 4-12

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抄録

道路橋やトンネルの定期点検(5年に1回)が義務化された.橋梁における1巡目の結果は,判定区分III(早期措置段階)が9%,IV(緊急措置段階)が0.1%だった.しかし,修繕等の措置はあまり進んでいない.国交省の予算概算要求資料の試算によると,III・IV判定橋梁を全部直すためには約20年かかる見込みだ.そのため,今後はIIIの措置を進めるとともに予防保全を重点的に行う必要がある.土木研究所では,AIを活用した診断技術の開発を行っている.点検データをタブレットに入力し,損傷の進行程度や損傷及び原因などを診断し,措置の方針を示すシステムである.また,「床版の土砂化」「コンクリート橋の塩害」「橋梁の基礎の河床の洗掘」などを早期に発見し,早期に措置するための技術開発にも取り組んでいる.

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© 2023 公益社団法人 土木学会
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