2024 年 5 巻 1 号 p. 15-25
土木施工現場へのDX推進として,新技術の複合的かつ多様化への活用が進められている.その結果,業務プロセスの変革と建設生産プロセスの最適化により,人材不足やインフラ財産のアセットマネジメントへの課題解決とともに持続可能な生産性向上の確保を目指すところである.しかし,それらの新技術導入の対策だけでは人的エラーの発生やレガシーシステムからの移行の停滞などの新しい課題が露見されつつある.その対策として,熟練者のスキルと新技術の融合がカギとなる.特に熟練者の意思決定をデータ活用によりモデル化させることが効果的であると筆者は考えている.本稿では,推進工事での意思決定の実例をもとに,施工現場の視点よりデジタルツインの運用とモデルの実装ついて提案する.