2024 年 5 巻 1 号 p. 26-32
高齢化や労働人口の減少に伴う人材不足など,インフラ業界における様々な問題を昨今の DX 技術により解決していくことは喫緊の課題である.特にレーザスキャナや点群解析技術は目覚ましい進化をしてきており,周辺環境を高精度に短時間で点群化し目的の数値を自動で算出することが出来るようになってきている.本稿では橋梁コンクリート床版の平坦性検査に着目し,従来は膨大な測定点で行う床版高さ測定業務を,地上型レーザスキャナとInfracapture による自動点群解析技術により瞬時に算出する技術を開発した.さらに開発したシステムを従来手法と比較し精度および検査時間について評価を行った.その結果,精度は担保しつつ測定時間を 88%削減することに成功し,肉体的な負担軽減を含めた省力化にも大きく貢献できることが分かった.