2024 年 5 巻 1 号 p. 43-55
鉄道の安全・安定輸送の脅威となる洗掘災害に対する維持管理の品質向上のためには,鉄道の河川橋梁の橋脚で生じる局所洗掘に対する発生危険度を評価し,被災の可能性が高い河川橋脚を抽出する必要がある.そこで,過去に鉄道で発生した洗掘被災事例ならびに無被災事例に対し,河川特性や橋梁・橋脚の構造に関する条件を収集・整理したデータベースを構築した.また,そのデータベースに対して機械学習モデルの一つである決定木アルゴリズムにより被災・無被災を判定する学習モデルの構築を試みた.学習モデルから得られる予測結果と既往の洗掘採点表による判別結果を比較し機械学習モデルの有用性を示した.