2024 年 5 巻 1 号 p. 33-42
本稿では,道路情報収集業務の補助を目的として,通報音声から道路に関する事象が発生している地点を予測する手法を提案する.通報への対応を行うオペレータは,通報者から口頭で伝達される情報と管理地域の地理情報を照らし合わせることで,事象の発生地点を特定することが求められる.本業務の補助として,通報音声から地点の特定を行う手法を構築することで,オペレータの負担軽減および業務効率改善が期待される.本研究では,テキストに関する大規模な事前知識を持つ音声認識モデルや対話型の大規模言語モデルを用いることで,通報音声の認識およびテキストからの場所情報抽出を行い,地図アプリケーションでの地点予測を可能とする.また,実際の業務において取得された通報音声を用いた実験を行うことで,提案手法の有効性の検証を行うとともに,本研究における課題を明らかにする.