2024 年 5 巻 1 号 p. 84-100
良好な都市景観を形成する際,一般的に,住民が望む都市機能などを反映させた国土や都市の形成が重 要であると考えられる.このような中,2023 年 7 月に第三次の国土形成計画(全国計画)が閣議決定され,今後,この計画を踏まえた各地域における地方計画等の都市計画の見直しが求められている.そこで,本研究では,人間中心設計の観点から住民の意見や要望に配慮した国土形成に向けて,社会資本に関する既往の国民アンケート調査結果を対象に,一般的に客観性や再現性において期待されている近年の AI 技術 等を用いて検討し,これらの適用性について考察した.なお,大都市や地方都市の今後における目指すべき景観検討に関して,大規模言語モデルや画像生成等の AI 活用の新たな可能性や今後の課題について,従来までの定量的評価手法(多変量解析)の検討結果との比較や,新たに実施したアンケート調査結果での検証により考察した.