2024 年 5 巻 3 号 p. 111-119
公共インフラ施設の根幹を成す道路橋梁等の交通インフラは1960年代の高度成長期に集中的に整備され,建設後50年以上経過し老朽化が進行するとともに急速なモータリゼーションの発展に伴い老朽化と共に劣化が進行している.その量は年を追うごとに増加しており,老朽化インフラの効率的な維持管理が急務となっている.効率的な維持管理を行うためには構造物の劣化度を的確かつ迅速に評価する手法の開発が求められている.このため本研究では,主要な交通インフラ構造物である道路橋床板に着目して橋面上を走行する交通荷重による床版のひずみ波形に畳み込みニューラルネットワーク手法を適用することにより床板の劣化度の推論が可能なことを示した.