2024 年 5 巻 3 号 p. 303-315
本研究では,トンネル照明灯具の腐食・損傷判定において,AI の判断過程を解釈可能にし,性能改善を 図る手法を検討した.具体的には,ResNet18 を用いて照明灯具の画像から特徴量を抽出し,その特徴量を決定木分析によって選別した.次に,Grad-CAM を用いて,決定木で選ばれた特徴量がどの部分に注目しているかを視覚化し,AI の判断過程を明確にした.さらにメンテンナンスの際に処置が必要なクラス・不必要なクラスを分けるということが重要であることに着目し,分類精度が悪いクラスの精度向上を図った.具体的には,ランダムフォレストを用いて代替特徴量を探索し,新しい決定木を構築した.これにより,処置が必要・不要に特化した性能に向上させること,またクラス 2 の分類性能が向上し,モデルの性能向上が確認された.