2024 年 5 巻 3 号 p. 359-365
本研究では,道路陥没リスクを判定するために教師あり深層学習モデル(Multi-Layer Perceptron: MLP)を作成した.MLP モデルは過学習の問題を抱えているため,最適なハイパーパラメータを決定した後,反復計算の回数を適切に制御して,過学習問題の解決を試みた.外挿予測のテストにおいて,正答率と再現率,適合率,F 値の 4 種類の評価指標を用いてモデルを評価した結果,学習時の評価指標と比較して 4 種類とも精度がわずか 3%未満の低下で過学習の問題を回避できた上,道路陥没の見逃しを 17%まで抑えることができた.一方,カテゴリー化情報や属性の違う情報の説明変数を除外した結果,精度に殆ど変化はなかったため入力情報収集の効率化の可能性が示唆された.