2024 年 5 巻 3 号 p. 614-623
近年,我が国では,人口減少に伴い空き家が急速に増加しており,国による空き家問題解決に向けた方策の整備や空き家の利活用事業の拡大を後押しする補助金制度等が積極的に行われている.一方で,空き家を利活用する際には,空き家毎の地域特性や所有者の意向を重視する必要があり,空き家対策を講じる自治体にとっては利活用できうる空き家を判断できる指標が求められている.そこで本研究では,埼玉県比企郡鳩山町が実施した空き家実態調査データを活用することで,空き家の周辺特性,状態,所有者の意向を考慮しつつ,空き家が持つ利活用のし易さに影響を及ぼす変数を定量評価し,指標化することを目的とする.本研究における分析を通して,自治体が空き家を利活用する際の基準として使える指標を開発することが実現された.