2024 年 5 巻 3 号 p. 650-656
我が国では,2022 年から国際クルーズの受け入れが再開され,今後,寄港回数がコロナ禍以前の水準に徐々に回復していくことが見込まれる.クルーズ観光では,乗客の観光による消費金額が寄港地の経済効果を生み出す大きな要因となると考えられている.一方,発着港となることが多い横浜港では,他の寄港地と比べ観光による消費金額が少ない傾向にある.そこで,本研究では,2 項ロジスティック回帰分析を使用し,発着港の魅力度を考慮した金額消費に影響を及ぼす要因と,発着港における観光消費への確率を明らかにした.さらに,数量化Ⅰ類を使用し,観光消費に影響を及ぼす一因となった魅力度について把握することにより,発着港の乗客の観光行動を詳細に分析し,発着港における観光消費の活性化に向けた重要な知見を得た.