2024 年 5 巻 3 号 p. 800-810
本研究では,道路・橋梁ネットワークを対象とした被災後の道路橋復旧計画について量子インスパイアード手法によるブラックボックス最適化の有用性に関する検証を行った.ネットワークの機能には利用者均衡配分法により求まる総旅行時間を定め,レジリエンス三角形の面積を目的関数とした最小化問題を設定した.最適化手法には,富士通が開発したデジタルアニーラ(DA)に遺伝的アルゴリズム(GA)と Factorization Machines(FM)による機械学習を組合せたFM-DA×GAを採用した.14橋の橋梁を含む小規模な仮想の道路・橋梁ネットワークに対して,FM-DA×GAと既往研究で適用例の多い単体のGAによる最適な復旧計画を求めた.結果として,FM-DA×GAは探索初期での収束が早く,単体のGAと比較して探索効率及び解析時間の面で優位性があることを定量的に検証した.