2025 年 6 巻 1 号 p. 192-197
本研究は,道路カメラ画像と物体検出の組み合わせによる避難行動解析の有効性を検証することを目的として,富山県内に設置された道路カメラにYOLOを適用し,2024年能登半島地震発生前後の交通量を分析した.その結果,沿岸部から内陸へ向かう交通量の増加や,高台への避難や物資の買い出しと思われる行動が検知され,地震発生前後の富山県内全域における交通量の変化の傾向が捉えられた.YOLOを用いた画像解析は簡便であり,数値データよりもわかりやすく広く一般に伝えることが可能であり,地域住民の防災意識向上への貢献も期待される.