2025 年 6 巻 1 号 p. 273-282
我が国では自転車走行空間の整備の一環として矢羽根型路面表示の設置が進められている.しかし,現在行われている矢羽根整備効果の調査では,汎用性が高い手法は確立されていない.一方,AIを用いた画像解析技術を利用した自動車交通量解析が導入されている.しかし,国内における画像解析技術による自転車交通量調査を意識した研究例はまだ報告数が少なく,有用性の認知度に対して研究蓄積は進んではいないのが現状である.そこで本研究では画像解析技術を用いて自転車を車種別に計測するモデル構築を行う.次に,札幌市の矢羽根整備前後で矢羽根上及び歩道上の走行時における交通量を目視調査し,その結果を用いて自転車利用者の走行位置選択意識に関する要因を明確にするモデルの構築を行い,自転車走行空間の走行位置要因分析を行う.