2025 年 6 巻 1 号 p. 265-272
積雪寒冷地では,降雪に伴って路面の変化が起こり,交通事故の要因となる.道路管理者が,管理対象となる路線に生じている路面状態を事前に把握可能となれば, 道路利用の安全性の向上が見込める.そこで本稿では,過去の路面データと気象データからMulti-LSTMを用いて路面状態を予測する手法を提案する.具体的には,まず,蓄積された路面データと気象データから時系列データと空間系列データを形成する.次に,時系列予測と空間系列予測を統合して路面状態を予測するMulti-LSTMに基づく予測モデルを構築する.最後に,時空間データを入力として構築したモデルによって路面状態の予測を行う.本稿の最後では,北海道で実際に観測されたデータを用いて実験を行い,6つの比較手法と比較することで提案手法の有効性を確認する.