2025 年 6 巻 1 号 p. 289-298
カーボンニュートラル実現に向けたAI・デジタルツインの動向を調査し,今後の課題を展望する.GHG排出源は多岐にわたることから,排出係数や活動量の計測・評価,関連データ等の抽出・連携や最適化等,AIやデジタルツイン技術の役割は大きい.インフラ分野においても,適用が進むBIM/CIMをベースとした排出量算定・最適化の研究開発が求められる.土木構造物は,都市全体の排出量への影響も大きいため,単に構造物としてのスコープのみならず都市としてのスコープからの排出量低減を視野に入れる必要があり,今後,さらに複雑な最適化問題を解く必要が出てくると想定され,量子計算や大規模データベース等のコンピュータサイエンスの先進技術を取り入れた研究開発も必要であると考えられる.