2025 年 6 巻 1 号 p. 395-402
災害対応においては,時々刻々に変化する情報を多くの関係者で共有することが求められるため,こうしたプラットフォームの活用が期待されている.河道閉塞災害の対応初動期は,多様な情報を災害対応の判断材料として多くの関係者で共有することが求められる.特に3次元で表示することで自然災害の専門家で無くても現地状況を俯瞰的・統合的に把握することを支援する効果が得られるものと考える.河道閉塞災害は,決壊による被害の拡大が急迫するような状況が想定され,自然災害の中でも情報共有の必要性が特に高い災害と考えられる.本稿は,こうした河道閉塞災害の特徴を踏まえて,災害対応のために情報統合プラットフォームを利用することを目的として,情報統合プラットフォームの設計と実装について整理を行い,フィールド試験結果のプロトタイプへの実装を通し,災害時を想定した情報共有について試行的な検討・整理を行う.