2025 年 6 巻 1 号 p. 417-432
近年,道路巡回や路面性状調査の実施範囲が限定的であるため,プローブデータを用いた簡易的な道路舗装の点検手法の開発に向けた研究が進められている.著者らは,時系列を考慮することで縦断方向に連続して発生する損傷の解析が可能な深層学習モデルのLSTMを用いて,単一時期のプローブデータから道路舗装の損傷を判定する手法を考案している.しかし,単一時期のプローブデータでは,損傷の上を走行していない場合に誤判定する課題がある.一方,多時期のプローブデータでは,機材の設置位置により取得される加速度の傾向が異なり,適切に判定できない課題がある.
本研究では,加速度を補正することで,多時期のプローブデータから道路舗装の損傷を判定する手法を考案した.その結果,F値0.8以上の精度で道路舗装の損傷を判定できた.