2025 年 6 巻 1 号 p. 75-85
本研究では,Matterport Pro3で計測された橋梁の点群データを使用し,橋梁の構造情報を自動的に計算する手法を検討した.高欄や床版,主桁の寸法を計算し,その精度を評価した.点群は事前にアノテーションされており,その情報も利用しながら処理を行った.高欄の長さは,点群を上から見た視点の2次元画像に投影し,画像処理技術で推定した.RMSEは0.28mであり,5cm程度の誤差が生じる可能性が示唆された.床版の長さと幅員は,主成分分析や楕円フィッティングを比較し,RMSE はそれぞれ0.10mおよび0.50mであった.さらに,主桁の交点検出も行ったが,データの欠損部分では交点の位置推定が難しかった.今後は,より高精度な推定を目指し,深層学習などを用いた点群の自動分類との組み合わせによる検証が望まれる.