2025 年 6 巻 3 号 p. 1-12
近年,インフラの老朽化が進む中,効率的な維持管理手法の確立が喫緊の課題となっている.本研究では,デジタルデータを活用した点検作業の自動化による人的作業の省力化を目的に,河川護岸の変状自動検出手法の開発に取り組む.変状データの収集が困難な画像認識タスクにおいては,教師なし異常検知手法が有効である.しかし,既存手法には,河川護岸の多様な変状タイプに十分対応できないという問題がある.そこで本研究では,代表的な異常検知手法である PatchCore を基盤とし,(1)正常データセットの構築手法,(2)特徴量抽出器における中間層の選択,という二つの観点から改良を加えた新たな異常検知手法を提案する.実験の結果,提案手法は既存手法と比較して,河川護岸における多様な変状をより高い精度で検出できることを実証した.