2025 年 6 巻 3 号 p. 13-24
本研究では,道路橋 RC 床版の舗装打換工事における打音検査の効率化・客観化を目的に,打撃音のスカログラムを入力とする深層学習に基づく欠陥分類モデルを構築し,その性能と計算コストの関係を整理した.その結果,事前学習済み CNN を用いたファインチューニングは高い正解率を達成する一方で学習に時間を要し,CNN-SVM ハイブリッドは学習時間を大幅に短縮できるものの正解率がやや低下することが明らかとなり,両者はトレードオフの関係にあることが示された.したがって,分類精度を最優先する場合はファインチューニングを,迅速な点検が必要な現場では CNN-SVM ハイブリッドを選択するなど,条件に応じて学習手法を適切に使い分けることで,道路橋 RC 床版の点検ツールとして柔軟かつ実用的な運用が可能となる.