2025 年 6 巻 3 号 p. 148-153
本研究では,走行時の移動ロボットの安全性向上を目的として,走行中に発生する衝撃や振動を事前に予測するシステムを提案する.災害現場や危険地域で活用される移動ロボットは,不整地走行による振動や衝撃で転倒やセンサ故障や誤検知を引き起こす恐れがある.これにより,得られる地形情報に誤差が生じ,マッピング精度の低下を招くおそれがある.本システムは,CNNおよびLSTMを用いて深度カメラ,IMU,クローラのエンコーダのデータから近い将来の加速度の合力の最大値を高速に予測するものである.実験の結果,推論時間は約5.06 ms,予測誤差は0.98 m/s2であり加速度を高精度かつ高速に予測できることを確認した.今後は実機による検証が課題であり,不整地における移動ロボットの信頼性向上が期待される.