2025 年 6 巻 3 号 p. 154-168
近年の日本においては,豪雨の増加により水害のリスクが増加するとともにその被害規模が甚大化している.大規模な水害時の被害全容を早期に把握する手段として衛星画像の活用が期待されており,深層学習を用いた衛星画像からの洪水浸水域検知に関する研究がこれまでに行われているが,検知精度の向上やAIの推論結果の物理的妥当性の担保が必要となっている.本稿では,これらの課題の解決を目的として,深層学習モデルによる浸水域セグメンテーション結果に対して,地形情報に基づく補正手法を検討した.試行結果からは,地形情報に応じて浸水判定を増やす処理を加えることでIoUなどの値に影響を与えずにrecallが高くなる,浸水域を見逃しにくくなる結果を得た.