2025 年 6 巻 3 号 p. 232-239
本研究では,道路脇の被り枝およびその被り枝に引っかかる枯れ枝を対象とし,車載カメラ映像に深層学習を適用することで,点検システムの開発を目指した.具体的には,物体検出モデルであるYOLOを用いて被り枝を検出し,次に画像分類モデルによって枯れ枝の有無を判定する二段階の処理を行った.また,枯れ枝の教師データ不足に対しては,画像生成AIを活用して多様な環境条件を再現した画像を生成し,分類モデルの精度向上を図った.さらに,検出結果を地図上に可視化することで,危険箇所の空間的な把握と作業計画の最適化を可能にした.これらの結果から,物体検出・画像分類・画像生成AI・地図可視化を統合した本システムは,今後のインフラ維持管理業務における作業負担の軽減と安全性の向上に貢献する可能性が示された.