2025 年 6 巻 3 号 p. 509-520
土木構造物の維持管理において点検と措置を結び付ける診断が重要である.診断は,専門知識が必要な高度な業務であるが,経験と高度な知見を有する技術者の判断が基本となっており,専門知識が属人的になっている場合,その説明責任とあわせて技術者の確保が課題となっている.本研究では,鋼橋の鉄筋コンクリート床版を取り上げ,ルールベースのエキスパート AI システムを構築する.診断システムの開発では,保全業務フローの明確化とあわせて基準等でルール化できない,複雑な床版の診断プロセスをルールベース化することで,技術者が判断する箇所が明確化され,見通し良く統一的な診断ができること,また,業務で発生するデータを一元的に管理できる仕組みを検討し,業務に沿って診断の再現や検証が可能なシステムを開発した.