2025 年 6 巻 3 号 p. 763-778
道路インフラの維持管理においては,分野横断的なデータ連携が進みにくい一方で,個別の業務に関する多様な記録・データが蓄積されつつある.本研究では,特に点検負担の大きい床版下面に着目し,複数の点検データを連携させて損傷状態を予測する手法を提案する.データ連携の過程では,欠損値の存在,クラスの不均衡などといった課題が生じるが,それらに対処するために深層学習モデル TabNet を活用し,高い予測精度と特徴量の解釈性の両立を図る.阪神高速道路における実データを用いた分析を通じて提案手法の有効性を実証する.本研究により,従来分断されていた点検データを横断的に活用することで,効率的かつ戦略的な点検計画の立案が可能であることを示した.