2025 年 6 巻 3 号 p. 816-822
平面画像から損傷を検出する研究では高い精度が報告されているが,撮影の網羅性や効率性には課題があった.本研究ではこの課題に対し,360 度画像の活用し,鉄筋露出を対象としたディテクション及びセグメンテーションモデルを構築し,その検出精度の評価を行った.まず,平面画像に対して検出精度の評価を行い,セグメンテーションモデルは平均 IoU 0.746 と安定した性能を示し,ディテクションモデルは平均 Recall 0.858 と安定した性能を示したが,平均 Precision が 0.765 に留まった.さらに,360 度画像に対して Cubemap 変換による歪み補正を適用し推論を試みたが,Recall は 0.326 に留まり,検出精度に課題が残ることが明らかになった.今後は,360 度画像の教師データを拡張するとともに,推論を行う GUI アプリの開発を進め,画像認識による点検従事者への視覚的支援の実用化に向けた検討を行っていく.