AI・データサイエンス論文集
Online ISSN : 2435-9262
コンクリートひび割れ自動検出における未検出へのペナルティとOnline Hard Negative Miningの併用学習の評価
村田 優希小泉 光生櫻井 彰人岡田 有策若原 敏裕
著者情報
ジャーナル オープンアクセス

2026 年 7 巻 2 号 p. 110-121

詳細
抄録

多数の道路橋の老朽化が進むなか,ひび割れ点検の自動化に対する要請は一段と高まっている.このような背景から,画像を用いたセマンティックセグメンテーションによるひび割れ検出の活用が期待されている.セグメンテーションモデルの学習では,誤って陽性と判定されやすい陰性に着目するOnline Hard Negative Mining(OHNM)が,False Positive(FP)の抑制を目的として用いられてきた.しかし,モデルの検出性能を向上させるためには,ひび割れ画素の見逃しに相当するFalse Negative(FN)を抑制することも重要である.特に,ひび割れ検出においては,ひび割れ候補の見逃しを抑えることが重要である.そこで本研究では,OHNM にFN に対するペナルティを組み合わせた併用学習手法の有効性を検証する.実橋梁画像を用いた比較実験の結果,併用手法,およびFN を抑制するペナルティはIoU およびF1 スコアを改善し,対応のあるt 検定とHolm 補正によって,改善の統計的有意性を確認した.以上より,FN を抑制するペナルティは,実橋梁画像を対象としたひび割れセグメンテーションにおいて,IoU およびF1 スコアの改善に寄与する可能性が示された.

著者関連情報
© 2026 公益社団法人 土木学会
前の記事 次の記事
feedback
Top