2026 年 7 巻 2 号 p. 171-178
道路橋点検における工学的規範に含まれる「著しい」や「広範囲に」のような定性的表現が,LLMの損傷判定に及ぼす影響に関する基礎的な調査を実施した.調査では生成されたテキストの分析に加え,モデル内部のSoftmax 層における確率分布に基づく分析や,内部の確率分布と外部の出力結果の一貫性を確認した.その結果,モデルサイズの増大に伴い,定性的な表現に対する最終判定分布のentropy が低下し,回答の基準文との意味類似度や一貫性が向上する傾向が認められた.比較的短い文章を対象とし,量子化されたQwen2.5 系列を用いるなど,今回の検討条件を前提とするものの,7B 以上のモデルで判定が安定する傾向が見られた.