2026 年 7 巻 2 号 p. 160-170
下水道設備は,老朽化と維持管理人員の減少が同時進行し,限られた財源下での日常監視の効率化が喫緊の課題である.その解決策として,深層学習による画像解析が有効であるが,撮影条件の差異や学習データの整備・モデルの更新が実導入の障壁となる.本論文では,深層学習に全面依存せず,画像の色・明度・輪郭などの低次特徴と時系列変化を組み合わせることで,モデル構築・更新の負担を低減し,実用的な下水道設備の管理を実現する手法を提案した.また,下水道管渠を対象として,単一カメラから水質異常および水位という複数の監視指標を取得し,これらを同時に把握する複合監視が有効となり得る可能性を示した.