AI・データサイエンス論文集
Online ISSN : 2435-9262
土地被覆オープンデータのみの学習を経た深層学習モデルによる衛星画像からの地震被害推定手法の検討
小西 陽登宮本 崇
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2026 年 7 巻 2 号 p. 359-366

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抄録

深層学習を用いた地震被害検出上の一般的な課題として,発災後に新たな被害ラベルを整備することは時間・人的コストの観点から困難であり,未知の災害事例への即時適用性に乏しい点が指摘されている.そこで本研究では,被害ラベルを一切用いず,土地被覆のオープンデータセットOpenEarthMap のみで学習した深層学習モデルによる衛星画像のセグメンテーション結果から,建物1 棟単位の地震被害を推定する手法を検討した.具体的には,災害後画像のセグメンテーション結果のみを用いる方法(指標A)と,災害前後のセグメンテーション結果の差分を用いる方法(指標B)の2 種類を提案し,令和6 年能登半島地震・石川県輪島市の事例に適用し目視判別ラベルと比較した.あわせて,被害区分(全壊・半壊・被害なし)別の検出性能の分析,ラベル不要な代替判定ルールとの比較,およびバッファサイズの感度分析を実施し,本手法の適用範囲を明示した.その結果,本手法は被害あり建物全体に対しPrecision 0.85・F1 0.65 程度の推定性能を示し,特に火災により屋根形状が大きく失われた事例では高精度に被害を検出できる一方,屋根形状が残存する半壊や部分破壊(半壊Recall=0.05)については識別が困難であることが確認された.

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