2026 年 7 巻 2 号 p. 367-392
本稿では,深層学習による衛星画像からの浸水域マッピングの精度向上を目的として,地形情報に基づく物理的補正手法の高度化について検討した.具体的には,深層学習によるSAR衛星画像からの浸水域セグメンテーション結果に対し,地形に沿った水の流れを考慮した複数の条件による補正を,日本の高解像度DEM を使用して適用した.その結果,日本で整備されているような高解像度DEM を補正の際に使用することで,深層学習手法では検知することができなかった浸水域を補正するとともに,誤検知された浸水域を減らし,IoU が最大で0.2520 向上する結果が得られた.また,浸水域の見逃しも大幅に減少した.一方で,より高解像度なDEMを使用することが補正に良い影響を与えるわけではなく,1mメッシュのDEMを用いた補正では,補正精度がむしろ低下する結果も得られた.