2026 年 7 巻 2 号 p. 60-68
技術論文には,港湾・海岸構造物の設計・施工に関する知見が蓄積されているが,断面図や諸元表等に設計条件や判断根拠が集約されるため,テキスト中心の検索では過去事例を参照できない.本研究では,特定の技術論文(報告書)が持つ定型的な構成を活かし,知識表現設計,検索設計,評価設計を主な貢献として,図表を扱える技術論文特化型RAG が構築された.PDF から図表を抽出する4 手法が比較され,図表caption を検索対象に含めるRAG 手法が設計された.対象資料は研究の範囲で利用・API 送信が認められたものに限定した.実務者監修の15 設問により,正確性,根拠一致性,実務有用性の観点から最終回答品質が評価された結果,図表captionと本文チャンクを併用する手法が最も高く,設計判断や技術課題対応を補助する知識基盤としての適用可能性が示された.