インフラメンテナンス実践研究論文集
Online ISSN : 2436-777X
B.技術とプロジェクト
ダムのメンテンナンスに資する堆砂測量で負の堆砂量が計測される問題
小柴 孝太村上 桂山清野 泰弘角 哲也
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2022 年 1 巻 1 号 p. 241-250

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抄録

 近年ダムの高齢化や気候変動に伴い貯水池の堆砂が進行し,ダムの正常な治水・利水機能が脅かされている.各ダムに対して適切な堆砂対策を講じることは喫緊の課題であり,そのためには貯水池の調査・観測が必要不可欠である.中でも特に基本的な調査が堆砂の量・形状・平面分布の取得である.堆砂調査の主要な手法は,シングル・マルチビームといった音響測深法である.しかし,水中に複雑な形状をもつ貯水池の深浅測量では誤差の発生が不可避であり,その証左として負の堆砂量がある.本論文では,音響測深の原理に基づき負の堆砂量が発生する理由を述べる.また,全国の国土交通省・水資源機構管轄のダムの堆砂率データを解析し,負の堆砂量の発生状況をまとめる.そのうえで,可能な限りコストを抑えつつ高精度な測量を行う方法,計測データの補正を行う方法について検討する.

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© 2022 公益社団法人 土木学会
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