2022 年 1 巻 1 号 p. 312-321
JR東日本は,将来の労働人口の減少を見据えた仕組みづくりに挑戦しており,ICT等の先端技術を活用した技術革新に取り組んでいる.その一環として,線路の状態を遠隔監視できる線路設備モニタリング装置を実用化し,本格導入を果たしている.本装置の導入により,線路保守の分野でCBM(Condition Based Maintenance)型のメンテナンス手法を取り入れ,線路設備の異常の早期発見や,設備点検の効率化,データ分析に基づく保守計画の最適化等,様々な効果が得られている.
本稿では,本装置の開発から実用化と,将来に向けた取り組みについて紹介する.