2022 年 1 巻 1 号 p. 329-336
本研究はRC床版の劣化度評価に対し,輪荷重走行試験により光ファイバーセンサを用いたモニタリングの適用性について検討した.輪荷重走行試験では,新たな載荷方法として実交通荷重に近い荷重を載荷させた.計測は光ファイバーセンサによるひずみ振幅と,従来の劣化指標であるたわみ,ひび割れ密度,および床版内部の剛性の低下を把握できる共振周波数とし,ひずみ振幅とその他の劣化指標との関係を評価した.試験の結果,ひずみ振幅は押抜きせん断破壊までの床版の劣化を検知でき,たわみ,ひび割れ密度,および共振周波数との相関が高かったため,床版内部の剛性の低下を検知し得る可能性を示した.またレインフロー分析により,実橋にランダムな荷重が作用した場合の床版の劣化度を評価し得る可能性を示した.