2022 年 1 巻 1 号 p. 423-428
建設から40年経過した新幹線高架橋において,凍害によるスケーリングや断面欠損が生じている.新幹線高架橋は,凍害への配慮としてAEコンクリートなどを使用して建設されてはいるものの,凍害による劣化が年々増加傾向となっている.そこで,既設高架橋の現状把握を目的として,高架橋の一部からコア試料を採取し,空気量の実態調査などを実施した.調査結果から,全体的に空気量が設計値より低くなっていることが確認され,空気量がある一定の数値を下回る箇所に凍害変状が多く発生していることが確認された.また,空気量が設計値以下となっている要因の一つに,施工過程で空気量が減少することが考えられたため,施工過程における空気量変化を検証した.以上の調査結果・検証結果などを踏まえて,耐凍害性確保の具体策として社内基準を改訂した.